クラニオセラピーについて

三寒四温とは言うものの、季節が逆戻りした様な

ひんやりとした1日ですね。

今回は、当サロンでのヘッドスパの手技において

根幹をなすクラニオセラピーという技術について

ご説明をさせて頂きます。

 

漢方アロマヘッドセラピーではクラニオセラピーと

呼ばれる頭蓋骨矯正によって血流やリンパ、脳脊髄液の

流れを整えます。脳内の栄養状態を整える事と、

老廃物の排出を促す事で、自律神経の働きを中心とした

自然治癒力を高める事によって自己整体を促し全身の

バランスを整える事が目的となります。

 

頭蓋骨調整の基となる理論はオステオパシー医師の

ウィリアム・ガーナー・サザーランド(1873-1954)による

「頭蓋縫合は、ミクロレベルの測定範囲で微細な動きを

している」という発見に基づいています。

「第一次呼吸」と呼ばれる心臓の拍動や呼吸のリズムとは

違う、全く独立した別のリズムで動いている頭蓋運動を

調整することで、脳脊髄液の流れを整え生体機能を

高めます。

 

*第一次呼吸とは

頭蓋骨や体全体で見られる規則的な動きで、肺呼吸では

なく頭蓋骨が「膨らんだり、しぼんだり」といった

リズミカルで小さな動きです。脳と脊髄は髄膜という三層

の膜状の袋で包まれていて、この中は脳脊髄液という体液

で満たされています。一次呼吸の動きはこの脳脊髄液を

循環させる為に起こる収縮と拡張によって発生

しています。出産後から始まる肺で行う呼吸を二次呼吸と

呼び、これに対して一次呼吸はお腹に中にいる頃(4~5週)

から既に始まっています。

一次呼吸は1分間に約6~12回のサイクルのリズム

があります。脊髄を包む髄膜は、頭蓋骨から脊柱の一番下

にある仙骨S2まで繋がっています。脊髄神経は脊柱から

出ると末梢神経と名前が変わり、手や足に伸びて

いきます。そして髄膜の最外側にある硬膜は、神経上膜

として脊髄神経から出てきた末梢神経を包み、全身に行き

渡っています。この様に、髄膜内の脳脊髄液は全身に

及んでいます。

 

*脳脊髄液とは

主に脳室(側脳室、第三脳室、第四脳室)内の脈絡叢で

産生されている水様で透明な物質です。脳や脊髄を含む

中枢神経を包み循環しています。脳脊髄液の総量は

約130mlに対して24時間で約500ml産生されている事から

1日に約3~4回入れ替わっている事が分かります。

脳脊髄液の働きは脳と中枢神経の保護(クッションの

様な働き)と脳と中枢神経の栄養補給と老廃物の処理に

なります。

 

*頭蓋骨が歪む仕組み

この様に、第一次呼吸がスムーズに行われる事によって

脳や神経の働きが正常に行われ、私たちは心身の健康を

維持しています。しかしストレスによる食いしばりや

歯軋り、偏った咀嚼、姿勢の悪さや眼精疲労など様々な

要因によって頭蓋骨が歪む事でスムーズな第一次呼吸の

動きが阻害されてしまいます。

頭蓋骨は一つの骨ではなく、22個のパーツが結合する事

によって形成されています。各パーツの繋ぎ目はギザギザ

な形状をしていて縫合と呼ばれています。

この縫合部分は皮膚との付着が起こりやすく、

また頭部の筋肉は動きが全身の他の部位に比べ小さい為、

筋膜の癒着が起こりやすい事などが、頭蓋骨を歪ませる

要因となります。

 

*アナトミートレインによる全身の筋膜の繋がり

アナトミートレインとは「筋筋膜経線」と呼ばれる

もので、筋肉は単体ではなく、筋膜によって一つに

繋がっています。複数の直線的に走るラインが存在し、

姿勢の維持、歩行の安定、大きな回旋など様々な役割が

あります。これらの筋膜経線は頭部からスタートしている

ものの範囲が大きく全身の不調の起点が頭蓋骨の歪みに

起因している可能性が高いと考えられています。

例えば、頭蓋骨の調整を行う事によって腰痛が軽減する

のは、この筋膜の繋がりが1つの要因となります。

 

*クラニオセラピーによる頭蓋調整

クラニオセラピーによる頭蓋調整の基本は縫合部の頭皮や

筋膜との癒着を解消する事によって頭蓋骨が本来持つ

可動域や皮膚や筋膜の滑走性を回復する事で第一次呼吸が

スムーズに行われる様に施術をしていきます。

 

漢方アロマヘッドセラピーでは頭蓋調整という整体理論に

漢方アロマという香りの作用を組み合わせ、脳の働きを

高める事で、リラクゼーションを通じて施術を受ける方の

自然治癒力を最大限に高めるサロンオリジナル療法と

なります。

自己整体をサポートする事によって自律神経や

ホルモンバランスが調整され、その作用は全身に及び

心身のバランスを整える様、働きかけます。